『素晴らしき哉、人生!』

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今回ご紹介するのは、『素晴らしき哉、人生!』(原題:It’s a Wonderful Life)。クリスマスシーズンに見るのにおすすめの、優しい気持ちになれる映画です。

クリスマスのイメージ画像
IMAGE SOURCEgirlydrop

あらすじ

ある年のクリスマスイブ、一人の男が危機に瀕していた。彼の名はジョージ。その善良さゆえ、損な役回りばかり経験してきた人物である。

一方、その様子を天上から気にかける天使たちがいた。命を受けた天使のクラレンスは、ジョージを救うべく地上へと向かう。

内容紹介と感想

作品の大部分は、主人公ジョージのこれまでの人生に関する描写に費やされています。少年時代、池でおぼれた弟を助けた際に片耳を失聴したこと。のちに妻となる女性との出会い。父親のあとを継いで会社を経営するようになったこと。そして現在、会社の金を紛失してピンチに陥っていること。

本当は外の世界に飛び出したかったのに、周囲の意向でしぶしぶ故郷にとどまるなど、ジョージは完全無欠のいい人ではなく、とても人間味のある人物です。

それゆえに、現金紛失事件後、周囲の人間にあたってしまいます。後悔の念にさいなまれ、保険金のために身を投げ出そうとするジョージ。

と、作品の3分の2以上は経過したかと思われる頃、ここにきてようやくクラレンス登場。人は良さそうではあるが冴えないおじさん、といった感じの風貌です。ちなみに翼がないのは、まだ二級天使だからだそうです。服装も変ですし、天の使いらしい神々しさのかけらもありません。

ジョージに待ったをかけたクラレンスは、ジョージが存在しない場合、世界がいったいどうなってしまうのかを見せることにします。この辺りの流れは、ディケンズの『クリスマス・キャロル』の善人バージョンといったところでしょうか。(ドラえもんのもしもボックスの方が近い?)

ジョージがいない世界。弟は幼少期に亡くなり、妻は独り身のまま寂しく暮らしています。当然、ジョージの子どもたちはこの世に生を受けてさえいません。

そんな世界を見て耐え切れなくなり、やはり生きてみようと思うジョージ。帰宅すると、すばらしい出来事が待っていました。

アイキャッチに「奇跡」と書きはしましたが、クラレンスの登場を除けば、ジョージのこれまでの生き方があってこそ迎えられたハッピーエンド。まさに情けは人のためならず。

友情っていいなあと思える心温まる物語でした。ラストのクラレンスからのメッセージもかわいらしいですよね。