スザンヌ・マクニール他著『ゼンタングル』

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今回ご紹介するのは、ブティック社より出版されている『ゼンタングル』(Suzanne McNeil / Sandy Steen Bartholomew / Marie Browning 著)です。
気楽に始められるパターンアートの世界を覗いてみましょう。

コンセプト ―無心で楽しんで気分すっきり!

ゼンタングルの生みの親は、アメリカに住むリック・ロバーツ(Rick Roberts)氏とマリア・トーマス(Maria Thomas)氏。ゼンタングル(Zentangle)という名前は、zen(禅)とtangle(絡まる)を組み合わせた造語だそうです。

【二人が運営しているウェブページ】

Zentangle
Bring out the artist inside you with the Zentangle Method. An easy-to-learn, relaxing, and fun way to create beautiful images by drawing structured patterns

ゼンタングルの利点をざっくりまとめると、「決まったパターンの図をぐりぐり描いていると、頭を空っぽにしてリラックスできるから、なんだかいい感じ!」ということです。単純で反復的な模様を描くことで瞑想に似た効果が得られるんだとか。
アーティスティックな要素がありながら誰でも始めやすいなど、大人の塗り絵と共通するところも多いですね。

なかには、本書の表紙や上記のサイトをご覧になって「あれっ、こんな絵描いた(見た)ことあるぞ」と思った方もいらっしゃるでしょう。確かに画風としてとらえた場合は、それほど目新しさはないかもしれません。しかし「ゼンタングル」として特筆すべきは、そのようなアートを、年齢・経験問わず多くの人が取り組みやすいメソッドとして確立した点であると思われます。

基本編 ―正解も失敗もなく、ペンの向くままに

基本的な描き方は、正方形の紙に線を引いていくつかの区画に分け、区画ごとに異なるパターン(模様)を描き込んでいくというもの。失敗を考えず、気の向くまま自由にペンを動かしていきます。

ただ、いきなり自分でアイデアを思い浮かべるというのは難しいものです。

イラスト例1

……というわけで、本を片手に描いてみました。拙作でお恥ずかしい限りですが、今回は紹介を兼ねてなるべくたくさんのパターンを用いました。

「未知の空間」「レイン」などは、本書でパターンに付けられている名称です。100種類以上のパターンが掲載されているので、組み合わせ次第でいくらでもオリジナリティを出すことができます。一見複雑そうに見えるパターンも、実は簡単な線の連続で成り立っているので、「私は絵心がないから……」などと及び腰にならなくても大丈夫です。

応用編 ―より楽しく、より自由に

イラスト例2

慣れてきたら、自分でも新しいパターンを徐々に生み出せるようになると思います。

ベースとなる形についても、今度は正方形でなくても構いません。丸型・ハート型・星形・リンゴ型などにしてもすてきに仕上がります。また、人物や動植物のイラストの一部に組み込んでも楽しいです。

基本編は白黒でしたが、こちらのイラストには色をつけてみました。桜色の紙を使用し、カラー筆ペン(あかしやの「彩」)で色を塗っています。

筆ペンは細かい作業がしやすいほか、準備や片付けが楽なのでとても便利です。

※余談ですが、彩は日本の伝統色を採用しているため、全体的に落ち着いた色合いが特徴です。ポップな色使いがお好みでしたら、同じカラー筆ペンでもクリーンカラーリアルブラッシュ等を選んだ方がよいかもしれません。

さらに平面から離れて、石などの立体物にペイントしたり、布に刺繍をしたりといったアプローチもあります。本書には多彩な例が紹介されていますので、作品づくりのヒントにすることが可能です。

おわりに

上手くゼンタングルのイメージが伝わりましたでしょうか?

紙1枚とペン1本さえあれば、すぐに始められる。どんなモチーフを描いてもいいし、どんな道具を使ってもいい。コツさえつかんでしまえば、楽しみ方は無限大。そんなゼンタングルにみなさんも一度挑戦してみてはいかがでしょう。