ウーピー・ゴールドバーグ主演の『天使にラブ・ソングを…』は、ミュージカルコメディの傑作映画です。
後にブロードウェイで舞台化もされました。国内では、森公美子さん・朝夏まなとさんのWキャストでミュージカルの再々上演(2019年冬)が決定しており、現在でも人気の高さがうかがえます。
あらすじ
『天使にラブ・ソングを…』
マフィアの事件現場を目撃した歌手のデロリスは、シスターに化けしばらく修道院に身を隠すことになった。彼女の奔放な性格や行動力は周りのシスターたちをも巻き込んで……。(原題:Sister Act)
『天使にラブ・ソングを…2』
シスターたちがデロリスのもとを訪ねてきた。現在、彼女たちは地域貢献の一環として高校の授業を受け持っており、デロリスには音楽の先生を任せたいという。デロリスは苦闘しつつも悪ガキたちをまとめあげ、聖歌隊コンクール出場を目指す。(原題:Sister Act 2: Back in the Habit)
作品の魅力
パワフルな主人公デロリス
ポップで新しい聖歌の形を作り出し、みんなを引っ張っていくデロリスの破天荒な試みの数々は痛快そのもの。大人しいシスターもお堅い修道院長も、いつのまにかデロリスに影響を受けて内面が変化し、性格や立場の違いを越えて友情が芽生えていくところがすてきです。
優れた歌唱力の役者陣
2作目になると、おなじみのシスターたちのほかに、歌唱力の高い生徒たちが登場します。
なかでも親子関係がピックアップされているリタは、その後も著しい活躍を見せるローリン・ヒル。リタの友人の伸びのある高音も個性的で好きです。
男子生徒もいるので、低音ボイスやボーイソプラノが聴けるなど、前作とは違った魅力があります。
テンションの上がる名曲の数々
劇中に登場するのは、思わずいっしょに歌いたくなるような、明るくて楽しい曲ばかり。
シスターたちのハーモニーやテンポの良さがすばらしい「ヘイル・ホーリー・クィーン(Hail Holy Queen)」や「アイ・ウィル・フォロー・ヒム(I Will Follow Him)」、もとは歌声の小さかった男の子の見せ場「オー・ハッピー・デイ(Oh Happy Day)」、クラスメイトとともにリタがその力を存分に発揮する「よろこびの歌(Joyful Joyful)」など、名曲ぞろいです。
2作目のED曲ではたくさんのキャストが登場し、ストーリー上は歌う場面のなかったキャラクターも歌に参加するなど、ミュージカルのカーテンコールのようで、楽しく見終わることができます。
とにかく元気が出る!
とんとん拍子に話が進みすぎるように見える部分がありますが、逆にそこがよいと思えてきます。元気になりたいときに見たくなるシリーズです。