『恋はデジャ・ブ』

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立春を迎え、暦の上では春ですね。
今回は、この時期にぴったりな映画をご紹介したいと思います。『ゴースト・バスターズ』などでも有名なビル・マーレー主演の『恋はデジャ・ブ』(原題:Groundhog Day)です。

あらすじ

気象予報士のフィルは、グラウンドホッグデーの取材をするため、田舎町パンクスタウニーを訪れていた。一晩明けて目を覚ますと、またもやグラウンドホッグデー当日。なぜか突然同じ日を繰り返すようになってしまったのだ。

最初はその状況を利用して女性を口説くなど楽しんでいたフィルだが、やがて嫌気がさすようになってしまう。ついにはさまざまな方法で自害を試みるようになるも、結果は同じ。しかしさらなるループを経て、彼の意識は大きく変わり始め……。

内容紹介と感想

グラウンドホッグデー(聖燭節)は、アメリカやカナダで2月2日に行われる行事で、春の訪れを占うものだそうです。グラウンドホッグ(ウッドチャックとも。リス科の動物)が冬ごもりを終えて姿を見せることに由来するとか。日本ではちょっと耳慣れない言葉ですね。

ループ現象を認識しているのは主人公のフィル一人だけ。同じ一日を何度も繰り返しているのですから、いつ・どこで・だれに・何が起きるのか熟知しています。クイズ番組の内容もすべて知っていて、はたから見ると不気味な予言者です。

当初のフィルは性格が悪く、関係者からの評判も散々なものでした。いっしょに取材に来ているリタに好意を寄せているのですが、アプローチを図っても彼女の反応はいまいち。そこで、フィルはループ中に彼女についてリサーチをします。しかしながら、なお関係は進展しません。

リタとの交流に加え、大きな転機となるのは、どうあっても助けることのできない老人の存在でした。自己中心的であった主人公が、他人に目を向けて思いやりを持てるようになっていくのです。平凡な町も、平凡な人々も、みんなが愛しいと感じ始めたフィル。そこでようやく時が動き出し、永遠とも思われた彼の長い冬は終わりを告げました。

ループに陥った原因は最後まで明らかにされませんし、そこは重要なポイントではありません。本作は、ニーチェの永劫回帰の思想をうまく表現しているといわれます。ループ現象という円環運動から意志の変化により脱却する、というのはまさにその通りですね。

おわりに

この作品のようにまったく同じ一日でないにしても、似たような毎日にあきあきしているという方はいませんか。そんな日々でも見方を変えるとどうなるか? 難しいようで、本質はとても単純なテーマであるように思います。

本作では、主人公以外はループに気づいていないわけですから、急に主人公の性格が変わって旧知の人はさぞやびっくりしたでしょうね。でも、人間変わるときは変わるものなので、実際、そういう変化は周りからすると一瞬の出来事だったりするのかもしれません。