近現代文学

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イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』

概要 『見えない都市』(原題:Le città invisibili)は、イタリアの作家イタロ・カルヴィーノの作品です。 空想都市の様相が一人称形式で語られ、各章の最初と最後にマルコ・ポーロとフビライ汗の会話が挿入され...
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幸田露伴『観画談』

あらすじ ずっと昔、ある人から次のような奇妙な話を聞いたことがある。それは、その人の友人の体験談であった。 何でも「大器晩成先生」と呼ばれる苦学生が、ある時原因不明の病にかかり、療養がてら地方を転々としていたのだそうだ。 ...
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ジョナサン・スウィフト『ガリヴァ旅行記』

今回ご紹介するのは、ジョナサン・スウィフトの風刺小説『ガリヴァ旅行記』(原題:Gulliver's Travels)。 絵本や低学年向けの児童書、映画等では原作後半が省かれていることも多く、小人国ないし大人国までのエピソードしか知ら...
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フーケー『水妖記(ウンディーネ)』

今回は、ドイツ後期ロマン派の作家フーケーの小説『水妖記(ウンディーネ)』(原題:UNDINE)をご紹介します。ジャン・ジロドゥの戯曲『オンディーヌ』の原作としても有名な、水の精を主人公とした悲しい愛の物語です。 なお、本記事では岩波...
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内田百閒『東京日記』『サラサーテの盤』

今回は、内田百閒『東京日記 他六篇』(岩波文庫)の収録作品の中から表題作『東京日記』および『サラサーテの盤』をご紹介します。 『東京日記』 あなた夜、どんな夢を見ていますか。夢日記をつけるのが好き、他人の夢の話を聞くのが好き、...
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モンゴメリ『青い城』

今回ご紹介する『青い城』(原題:The Blue Castle)は、『赤毛のアン』シリーズで有名なルーシー・モード・モンゴメリの作品のひとつです。 あらすじ 抑圧された日々を送る孤独な女性ヴァランシー・スターリングは、...
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川端康成『古都』

『古都』は、1961年から62年にかけて連載されていた川端康成最後の新聞小説です。 あらすじ 京都の呉服問屋の一人娘として美しく成長した佐田千重子。育ての親に可愛がられてはいるものの、実は捨て子であったという過去が心のしこりと...
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サマセット・モーム『月と六ペンス』

『月と六ペンス』(原題:The Moon and Sixpence)は、画家のポール・ゴーギャン(ゴーガン)の伝記から着想を得て書かれたという小説です。 なお、本記事では新潮文庫の金原瑞人訳を参考にしています。 あらすじ ...
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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』

今回ご紹介するのは、谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)。前回の梶井基次郎作『闇の絵巻』は自然美にまつわる話が中心でしたが、こちらは主に人工美、ないし人工美と自然美の調和がテーマとなっています。 なお「陰翳」(陰影)には...
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梶井基次郎『Kの昇天』『闇の絵巻』

今回は、梶井基次郎の小説『Kの昇天』および『闇の絵巻』をご紹介します。いずれも闇や影をモチーフにした作品です。 『Kの昇天─或はKの溺死』 月明かりの下で 「私」がKと初めて出会ったのは、ある満月の晩、療養地の海...
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アントン・チェーホフ『桜の園』

四幕の喜劇『桜の園』は、ロシア人作家チェーホフによる最後の劇作品(初演は1904年)です。 あらすじ ああ、わたしのいとしい、なつかしい、美しい桜の園! わたしの命、わたしの青春、わたしの幸せ――さよなら……、永久にさようなら...
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森鴎外『高瀬舟』

あらすじ 桜舞う夕べのこと。この日、高瀬舟に乗せた罪人・喜助には奇妙なところがあった。弟殺しの咎で罰せられたというのに、その表情は実に晴れやかなのだ。同心の庄兵衛は、たまらず事情を尋ねるが……。  作品が生まれた経緯 ...